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2008年 08月 14日
2005年以来の『夢から醒めた夢』四季劇場[秋]公演。
今さら言うまでもなく、劇団四季の中でも特に思い入れのある作品。 2006年の京都・名古屋公演はやや物足りず、昨年の全国公演はかなり不満の残る出来だったから、否が応でも今回の東京公演は発表当初から期待大だった。 この作品を観て感動できないとしたら、それは観客の感性が鈍いから・・・ではなく、作品自体が優れていないから・・・でもなく、ひとえにキャストの技量不足のせいである。 だからこそ、前回の東京公演では9回観に行って9回とも感涙したのに、昨年の全国公演ではまったく泣けなかったのだ。 それ故、下村配達人、光枝デビル、立岡老人のいない今回の公演で、どんなキャストを揃えて来るのか期待と不安で初日を迎えたのだが、ほぼ満足の得られる舞台が観られたと思う。 ピコの吉沢梨絵。 歌唱力は保坂知寿や樋口麻美には及ばないけれど、キャラクターとしてはまさに嵌り役で、ピコになりきって生き生きと演じ、泣かせてくれる。 マコの花田えりか。 昨年までは日本語のセリフに難があり、実は今回も危惧していたのだが、見違えるほど演技力が向上したと思う。 デビルの道口瑞之。 光枝デビルの亜流ではない、まったく違うデビルを体現していて驚いた。 セリフの強弱や間の取り方で、これほど印象が変えられるという見本のような演技。 回数を重ねれば、さらに見応えある演技が確立できるだろう。 この他のキャストについては取り立てて感想はないのだが、マコの母役である織笠里佳子は歌については問題ないものの、娘を失う気持ちの動揺が弱いように感じられるのと、老婦人役の佐和由梨は品が良過ぎるし、50年も連れ添った夫婦には見えない。 まぁ、とは言っても、これらの点は瑣末なことだから、感動を弱めるほどの不満ではないが。
by p_giacomo
| 2008-08-14 21:26
| 演劇
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